サービスがまだアイデアの段階では、その全体像は曖昧なままだと思いますが、実際の制作プロセスに入る前にそれを具体的にしておかなければなりません。 このことは、サービスキャンバスをつくることで可能になります。 これについて、概要や手順について説明します。

サービスキャンバスとは

サービスキャンバスとは、「そのサービスが誰のためにあるのか」「なにを提供するのか」など、 サービス制作の指針を定めた文書 のことです。

同様のものとして、ビジネスモデルキャンバスや、これをスタートアップに特化させたリーンキャンバスなどがあります。 ただ、サービス制作においてこれらは不十分だったり、逆に必要のない項目があったりします。

サービスの企画やUI設計、マーケティングなどにおいて、このサービスキャンバスに従って行なうことで、よりよいプロダクトを、ターゲットとなるユーザに届けることができるようになります。

サービスキャンバスの項目

サービスキャンバスでは、以下の項目について定めます。

  1. 満たすニーズ
  2. ターゲット
  3. 現状の解決方法
  4. 提供する解決方法
  5. 利用モチベーション
  6. 現状の解決方法に対する優位性
  7. コンセプト
  8. 主要成功要因
  9. 流入経路
  10. コスト
  11. 収益

各項目の説明

1. 満たすニーズ

提供するサービスが、ユーザのどんなニーズを満たすのかを定めます。 このニーズこそがサービスの存在意義なので、つくろうとしているサービスのニーズが強いかどうかがポイントとなります。

2. ターゲット

1のニーズを持つであろうユーザ層をターゲットとして定めます。 このターゲットがサービスの母数となり、一定数以上の母数がありそうかを予想することができます。

3. 現状の解決方法

2のターゲットが、1のニーズを満たす上で、現状どのような方法で解決しているかを定めます。 これらを代替するサービスをつくることになるので、ここで定めたものが競合であると言えるでしょう。

4. 提供する解決方法

1のニーズを満たすために、2のターゲットに対してどのようなサービスを提供するのかを定めます。 これこそがサービスのコアであり、無駄な機能のないシンプルなサービスづくりに大きく寄与します。

5. 利用モチベーション

4を利用することで、ユーザのどんな欲求を満たすのかを定めます。 サービス内でのユーザの役割が複数ある場合は、その役割ごとに定める必要があります。

6. 現状の解決方法に対する優位性

4の解決方法が3の解決方法に比べてなにが優れているかを定めます。 ここで定めた部分に注力することで、サービスの強みを伸ばすことができます。

7. コンセプト

1のニーズや4の解決方法などを踏まえて、このサービスをひとことでいうとどうなるか、を定めます。 このコンセプトが2のターゲットに刺さるかどうかが、よいコンセプトかどうかの判断材料になります。

8. 主要成功要因

4の解決方法の中で、どの要素に注力すれば、このサービスが成功するかを定めます。 これをもとにKPIを定めて数字を追うことで、サービスを改善していくことができます。

9. 流入経路

2のターゲットがどの経路でサービスにアクセスするかを定めます。 これをもとにマーケティングやサイト内のSEO対策といった施策などを行なうことができます。

10. コスト

4の解決方法を実現する上で、コストはいくらかかるかを定めます。 イニシャルコストとランニングコストを定め、資金面で問題がないかを検討します。

11. 収益

4の解決方法がどのような方法で、どれくらい収益をあげるかを定めます。 10のコストと比較し、事業としてやる価値があるかどうかを判断します。

つくった後でやること

もちろん、サービスキャンバスはつくっただけでは意味がありません。 つくった後で、以下のことを行なう必要があります。

  • メンバー全員が常に参照できるようにする
    • チーム内のWikiなどで共有する
  • これを元に企画する
    • 機能を追加する際、サービスキャンバスに従っているかを検討する
  • 定期的に更新する
    • 運用する上で新たな知見が得られたら、それをサービスキャンバスに反映する

おわりに

サービスキャンバスをつくることで、サービスの方向性が明確になり、サービス制作に大きく貢献します。 サービスを立ち上げる際は、ぜひサービスキャンバスをつくりましょう。