HTMLとCSSでWebサイトのコーディングを行なう仕事を請ける際、どんな点に気をつけていますか? きちんと決めるべきことを確認した上で契約を交わさないと、プロジェクトを進める上でいくつもの問題が起こり、「引き受けなければよかった……」と後悔することになるかもしれません。

今回は「クライアントがデザインを制作し、そのデザインをコーディングする」案件を請ける際、気をつけるべき点をまとめてみました。 もちろん「これさえやればよい」というものではありませんが、契約を交わす前にぜひ確認してみてください。

1. 納品日はページ単位で余裕をもたせる

コーディング作業の稼働開始日から最終的な納品日まで余裕があるからといって、円滑に作業が進められるとは限りません。

重要なのは、各ページのデザインを受け取って、そのデザインの成果物を納品するまでのスケジュールです。

たとえば10ページのコーディングを1ヶ月後に納品するとして、クライアントからのデザイン共有がスケジュール終盤に偏ってしまったらどうなるでしょうか。

これを避けるためにも、「1ヶ月で10ページ」ではなく「1ページあたり3営業日」といったように、ページ単位でスケジュールを出した方がよいでしょう。

2. スケジュールは修正対応も考慮する

成果物は「1度納品すれば終わり」ではありません。 クライアントの検収の結果、修正が入ることがあります。

クライアントによっては検収の基準がかなり厳しく、想定より多くの修正が入ることも考えられます。 とはいえ、多くの修正が出たからといって当初の納品日を超過していい訳ではもちろんありません。

この修正対応も考慮した上で、余裕をもってスケジュールを組み、余裕をもって納品した方がよいでしょう。

3. 見積もりはデザインを確認してから出す

1ページあたりのコーディング費用の相場、というものがあります。 たとえばトップページなら○万円、子ページなら○万円、孫ページなら○千〜○万円、といった感じです。

ただ、デザインを見ないうちにこの金額を決め打ちでクライアントに提示するのは避けた方がよいでしょう。

極端な話、共通のコンポーネントがまったくなかったり、1ページがものすごく長かったり、JavaScriptの動きが多かったりするデザインかもしれません。 それらすべてを「1ページあたり○万円」で算出すると、稼働に見合わず苦労することになります。

デザインや動きをすべて確認するまでは概算として提出し、最終的な金額が決まるまでは作業を行なうべきではないでしょう。

4. 画像のスライス作業の担当を決める

経験則からいうと、画像のスライス作業は暗黙的にコーディングを行なう側が担当しがちです。 これ自体は特に問題ないのですが、スライス作業を費用に含めないのは問題だと思います。

最近は画像編集ソフトも高機能化し、スライス作業にかかる時間はかなり少なくなりました。 とはいっても、まったく作業しない訳ではありません。 多少なりとはいえ作業が発生するのであれば、その分の費用を請求するのは正当な理由です。

スライス作業の担当がどちらにあるかを事前に確認し、作業を行なう場合はその分の費用を見積もりに含めましょう。

5. コーディング以外の作業が発生しないか確認する

たとえばヘッダなどの共通ファイルを切り出すためにPHPを使ったり、オンライン上でページを確認できる必要がある場合、開発環境の構築やサーバの準備など、コーディング以外の作業が発生します。

あるいは、一般的でないコーディング規約への準拠を要求されることもあるかもしれません。

事前に要件を確認し、別途作業が必要であればその分の費用を見積もりに含めた方がよいでしょう。

6. 検収の厳密さの確認をとる

感覚的にきれいだと感じられれば問題ないのか、あるいは余白やフォントサイズ、行間に1pxのズレも許容しないのか。 検収する人によって、要求される厳密さが大きく異なります。

閲覧環境によらず1pxの精度を要求される場合、それに応えられるだけのスキルがなければ、修正に多くの時間を要し、報酬が稼働時間に見合わなくなる場合があります。

作業に着手する前にこのあたりのすり合わせを行なっておくと、お互い効率的に検収を行なうことができるのでおすすめです。

7. 無理に請けない

「急ぎの案件で……」「予算的に厳しいのですが……」といった類の依頼は黄色信号です。 相手を助けたいからといって条件を下げて請けてしまうと、結果として自分も相手も不幸になるかもしれません。

提示したスケジュールや金額に納得できない場合、無理に引き受ける必要はありません。 断ることも重要な仕事だと思います。

8. 値引きしない

自分に技術や実績があり、それがクライアントに評価されて仕事につながる、というスキームが理想的です。

逆にいうと、技術や実績をもとに見積もった価格が値引かれるというのは、クライアントの自分に対する評価が低い、あるいはその案件は自分にとって役不足かもしれない、ということです。

費用が理由で破断になるのは、お互いにとっていいことだと思います。 仕事がほしいからといって無理に値引くのはやめましょう。

もちろん、自分の客観的な評価に合わない料金設定はよくありませんし、自分の評価をクライアントに理解させるための日々のブランディング活動も大事な仕事のひとつです。

9. 契約書に明記する

以上の内容は、可能な限り契約書に明記しましょう。

信頼関係のあるクライアントからの依頼の場合、契約書の締結が疎かになりがちです。 ですが、少なくとも送信日時が確認できる信頼できるツールで、文字ベースでの履歴は残しておきましょう。

契約締結後に口頭で決まったことがあった場合、メールなどで内容を確認し言質をとることも重要です。

おわりに

この他にも、動作環境など決めておくべき基本的な事はあるかと思います。 大事なのは、自分に発生しうるすべての作業を疑い、本当に自分がすべきなのかを問うことだと思います。

仕事は楽しくあるべきで、ストレスを感じてしまう状況をつくるのは事前に避けたいところです。 この記事の内容が仕事のストレスを減らせることにつながったら嬉しいです。